ワンコインで日本の旅の歴史をたどってきました 旅する人びと~東海道五十三次から世界へ~

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江戸時代から昭和の初めまでの旅の様子が分かる資料が勢揃い!

絵巻物から浮世絵、そして旅日記まで。
当時の旅の様子を記した展示物がたくさん!

江戸時代から昭和初期まで歴史をたどるように展示されています。

日本において「旅」が楽しみとして一般的になるのは江戸時代から。街道の整備とともに遠くまで人間が移動できるようになりました。
でも当時は娯楽としておおっぴらに行ける時勢ではなく、宗教的(お伊勢参り)など大義名分をつけて手形を発行してもらっていたそう。今も昔もお金がかかる旅。当時は旅行積立互助会が既に確立していました。皆でお金を出し合って、順に旅に送り出す。一生に一度のハレの行事だったのですね。鉄道の発達ともに短時間で遠くへ、飛行機の登場により世界へそして今へとつながる旅の歴史。珍しい視点からの充実した展覧会でした。

プロローグ 自由な旅の萌芽
第一章 旅の移動手段
第二章 旅への誘い
第三章 旅へ出発

個人的覚書

東海道五十三次細見図会

自分に馴染みのある土地の浮世絵は細かいところまで楽しめる!権太坂や、私がお宮参りした富塚八幡宮が描かれてた!

鉄道初期のグッズにときめく

当時の時刻表(時刻表を写真に撮ったものが貼られている帳)や二等乗車券や相当レールの実物にクラクラ。

旅籠の食事模型

一汁三菜で想像以上に豪華。とっても健康的で見習いたい内容。

客引き女の様子

旅籠に引き込む女性の様子が、今のアジア諸国の客引きにそっくり。いや、それ以上の袖の引張具合!!逞しい。

旅日記の数々

細かい字で書かれた旅日記。互助会で次に行く人のためになるような記録としての旅日記が主流なので、日程やかかった金額が事細かに羅列している体裁。几帳面。

東西温泉番付

東は草津温泉の圧勝。西は有馬温泉。

雑誌やポスターのモダンなこと!

新聞の付録の「鉄道旅行すごろく」なども飾っておきたい程の素敵さ。手描きポスターの魅力。

大名行列絵巻

絵巻にすると圧巻!カメラを固定して引いたら、アニメになるね。日本のアニメの原点は絵巻物かもしれない。

欲しい!「旅行用心集」

持ち物のアドバイスから、蛇に噛まれたときの処置・乗り物酔いへの対応まで幅広く旅に役立つハンドブック。
必要なもの:手形・矢立(筆と墨つぼが一体化している筆記用具)・早道(財布)・旅枕・水筒・火打ち道具・携帯用ロウソク立て・小田原提灯・菅笠・道中合羽 etc…
刀型のシークレット財布も。鞘の中に銭がおさまるようになってた!
日記道具は持っていくモノの筆頭に記されていた。旅日記は大事だったんですね~。

刺又・突棒・袖搦

実物は大迫力。こんなので押さえられたら無理!トゲトゲだらけ。袖搦はそのまんまのネーミング。

名所の絵葉書

修繕前の貴重な佇まいがうかがえる絵葉書たち。旅先で仕入れる絵葉書、家で保管すると場所をとるので処分しようかと思っていたけれど、何十年後に振り返ったときの貴重な資料になりえるなと保存を決意。

駅弁包み紙

崎陽軒の駅弁。横浜の見どころと横浜駅からの距離が記載されてた。大船軒のは鶴岡八幡宮など。
汽車土瓶やガラス茶瓶の実物も。ガラス茶瓶は人気なかったらしい。

昭和初期のパスポート

サイズが大きかった。紺のつや消しでまるでベルベットの様な見た目。

岡本一平の世界をテーマにした漫画の数々

欧州の都会の女性は強く魅力的!女に出来ないことは、お尻でマッチに火をつけることくらい。

最新世界地図(昭和9年)

一番時間をとってマジマジと観察。80年たらずでかくも世界地図は変わった。

 

展示物の写真撮影は全て不可だったのが残念でしたが、500円とは思えない充実した展示内容に大満足。

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川崎市民ミュージアムは面白い展覧会も多いのですが、周知されていないのかアクセスがいまひとつなのか、いつも空いているのがもったいない!この日も私以外は1組で。ゆったり見ることが出来るのは助かるけれど。
展示会に関連したイベントも多く企画されているし、中にはベビーカーツアーも!
もっと沢山の人に来場してもらいたいミュージアムの1つです。


旅する人びと~東海道五十三次から世界へ~
会期:2016/10/8 – 11/20
会場:川崎市市民ミュージアム 企画展示室1
観覧料:一般500円、大学生・高校生・65歳以上400円、中学生以下無料